ケーススタディ
2022/06/27
座間市で「WOOMS Activation フードサイクルプロジェクト」を開始。農林水産省との「農鉄連携」により、「焼却ごみの削減」と「都市農業の振興」に取り組みます。
小田急電鉄株式会社(本社:東京都新宿区 社長:星野 晃司)は、神奈川県座間市(市長:佐藤 弥斗)、農林水産省と連携し、2022年7月24日(日)に、座間市内の300世帯で生ごみを堆肥化して、自治体の資源物・廃棄物収集の仕組みにより回収し、地元農家で活用することを目指す「WOOMS Activation フードサイクルプロジェクト」を開始します。
これは、当社と循環型社会の実現に向けた協定を締結している座間市にて、農林水産省農村振興局の農山漁村振興交付金(都市農業機能発揮対策)を活用し、同局が進める「農鉄連携」の一環として進めるものです。生ごみを手軽に堆肥化させるツール「LFCコンポスト」を提供するローカルフードサイクリング株式会社(本社:福岡県福岡市 代表:平 由以子)に協力いただき、当社のウェイストマネジメント事業「WOOMS(ウームス)」で提供する資源・廃棄物の収集運搬ソリューションにより、ごみの削減に資する好循環を地域とともに生み出し、都市農業の振興を目指す施策です。
本施策では、座間市内から300世帯へ「LFCコンポスト」を無償貸与して堆肥を作成、ごみ集積所へ出していただきます。座間市の収集車で回収し、第三者機関での品質調査を経て、市内の農家や市民農園での農作物の栽培に活用します。これにより、焼却ごみの排出量を削減するとともに、農作物を販売するマルシェの開催等を通じて市内で消費していく循環モデルを構築し、都市農業の振興を促進します。300世帯を対象にした「LFCコンポスト」の無償貸与は、今年度と来年度に1回ずつ実施する予定であり、2024年3月末までに計600世帯から出る約20トンの生ごみを削減し、約2トンのコンポストとして再生する計画です。なお、収集車による回収の際に、「WOOMS」の「収集・排出サポート」機能を活用して地域ごとの 堆肥回収量や回収率を蓄積するなど、効率的な回収体制を構築し、継続可能で実効性の高い施策にしてまいります。
当社では、2021年9月に、「“ごみ”のない世界へ。Beyond Waste」を事業ビジョンとするウェイストマネジメント事業「WOOMS」をスタートしています。座間市では「WOOMS」の導入を通し、廃棄物収集業務の最適化によって生まれたリソース(余力)で、資源循環を加速する新たなチャレンジに取り組む体制整備が進んでいます。また、本取り組みの背景には、各家庭で生ごみを堆肥化することで焼却ごみを削減する手法は環境面から非常に有効である一方、都市部では家庭菜園など用途が限定的であり、発展に課題がありました。今回の取り組みを通じて、各家庭での生ごみ堆肥化から、回収・運搬、活用した農作物を地域で消費していくサイクルのモデル事業として確立し、広く展開可能なものにしていくことを目指します。
座間市内における焼却ごみの削減と、都市農業の振興による循環モデルの形成に「WOOMS」のソリューションを活用する取り組み「WOOMS Activation フードサイクルプロジェクト」の詳細は下記のとおりです。
記
1 開始日 2022年7月24日(日)
2 実施エリア 座間市内
3 対象 座間市内の合計600世帯 (上記の開始日から300世帯を募集し、2023年度に新たに300世帯を募集して実施します)
4 実施概要
本取り組みに参加いただく世帯へ、生ごみを手軽に堆肥化する「LFCコンポスト」※を無償貸与し、各家庭から排出される焼却ごみを削減します各家庭からごみ集積所へ出していただく「出来上がり堆肥」を、座間市の資源・廃棄物収集業務により回収します。回収にあたっては当社「WOOMS」のソリューションの活用により、効率的に実施します回収した堆肥を、第三者機関で品質調査したうえで、市内の農家や市民農園にお届けし、農作物の栽培に活用いただきます焼却ごみの削減と、都市農業の振興による循環モデルを形成します。
※「LFCコンポスト」について https://lfc-compost.jp/
5 参加方法
座間市公式LINEからお申し込みいただきます申し込み期間は、7月1日から7月15日までで、回収効率や施策の有効性の観点から対象者を選定させていただきますご参加の方には、説明会への参加、アンケートのお願いなどを実施予定です。
6 お問い合わせ
小田急電鉄WOOMSホームページ お問合せフォームにて受付 https://www.wooms.jp/contact/
(参考1)ウェイストマネジメント事業「WOOMS」について
1 概 要
「“ごみ”のない世界へ。Beyond Waste」を事業ビジョンに掲げ、主に自治体や廃棄物排出・収集事業者を対象に廃棄物収集業務を効率化し、そこから生まれたリソースをごみの削減やリサイクルの拡充へとつなげる取り組みです。テクノロジーを活用した収集から事務業務の効率化を支援する「収集・排出サポート」と、効率化による余力を活用し、資源循環を高める施策を提供する「資源循環サポート」で構成するソリューションを提供します。
2 事業開始日 2021年9月1日(水)
3 主な事例
・神奈川県座間市:事業開始に先駆けた2020年8月からWOOMSの活用により、廃棄物収集業務が効率化。生まれたリソースにより、従来燃やすごみ扱いとしていた剪定枝を資源として回収し、ウッドチップとしての再利用やバイオマス発電原料とすることに成功したほか、市民への5R促進など啓発活動にも注力。生ごみを堆肥化する本施策のイメージを資源・廃棄物収集車の車体にデザインして、市内PRを実施。
・東京都公募事業「使用済み紙おむつのリサイクル推進に向けた実証事業」
(関連するニュースリリース)https://www.odakyu.jp/news/o5oaa10000020gai-att/o5oaa10000020gap.pdf
・日揮HDらが進めるバイオジェット燃料製造サプライチェーンモデル構築事業に参画
(関連するニュースリリース)https://www.odakyu.jp/news/o5oaa1000001za6n-att/o5oaa1000001za6u.pdf
4 公式サイト https://www.wooms.jp/
(参考2)農林水産省の取り組みについて
農林水産省農村振興局では、人口減少や高齢化が進行する農村地域の振興や都市に残された都市農地の保全を進めるため、農にふれあい、都市と農村を行き来する「農村ファン」の拡大を推進する取り組みを実施しています。その一環として、都心から郊外まで多彩な路線網を持ち、地域の社会課題解決に積極的に取り組んでいる鉄道会社との間で「農鉄連携」を進めています。
農林水産省では、2050年までに我が国の有機農業の面積を100万haまで拡大する「みどりの食料システム戦略」を2021年に策定しており、本施策が有機農業の拡大と都市農業の振興に資することから、今回の連携につながりました。
以 上